木組み——釘を使わず千年もたせる接合の思想
施工ロボットや3Dプリンタは、部材を接着・溶着・積層して一体の構造をつくる。だが日本の伝統建築は、釘や金物に頼らず、木材同士を複雑に噛み合わせるだけで、千年を超えて建ち続ける構造体を生み出してきた。「継手(つぎて)」と「仕口(しぐち)」——木組みの技術である。
組み立てと分解を両立させる発想
木組みとは、木材に凹凸の加工を施し、互いをはめ合わせて接合する技法だ。接着剤も金属も使わず、木と木が組み合うことで力を伝え、地震の揺れを逃がし、解体・補修を可能にする。法隆寺が1300年以上も建ち続けているのは、この接合思想の堅牢さと柔軟さによる。組み立てと分解、剛性と可動性を両立させたその発想は、現代の構造設計にも示唆を与える。
この記事の続きは会員限定です。