EU AI法——条文を先に書き、あとから直す統治

はじめに——罰金は決まった。使われてはいない

2025年8月2日、EUの禁止AI慣行には最大3500万ユーロの制裁金がかかるようになった。それから半年が過ぎた2026年2月の時点で、罰せられた企業は一社も報じられていない。

条文はある。金額も決まっている。だが誰も、その重さを実際に受け取っていない。

この奇妙な空白は、EU AI法という制度の設計そのものに由来する。先に条文を固め、中身は後から埋めていく。そういう作り方をしている法だからだ。先に書かれた条文は、いつ本当に効く法になるのか。この問いを、鎌倉幕府が1232年に作った51か条の法と並べて読んでみたい。

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